”答えのない時代”を生き抜くために必要な力とは?「脳科学者が子どものために考えた夢をかなえる力ののばし方」(脳科学者:茂木健一郎)

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「YOU TUBERになりたい!」と子どもが言ったら、何て答えますか?

10年後どんな時代になっているか、わかりますか?


子どもたちがどんな仕事を選べるのか、知っていますか?

人工知能(AI)のすさまじい発展により、
今後、いまある仕事の半分はAIにとって代わられていくと言われています。
私たち親が想像することなんてほとんど通用しないほど
時代の変化が激しくなっています。

そんな時代を生き抜く子どもたちを育てている私たち親はいったい何をすればいいのでしょうか?

そんな疑問にヒントをくれる本がありました。

これからの時代は、親の世代が信じていた成功のルールや経験則が役に立ちません。

・・・

子どもには、五感を使って未来がどうなるかを察知する能力があります。

・・・

子どもたちはそうした新しい変化を、大人よりも早く、敏感に感じ取っています。

親は子どもを導いてやらなければならない。

そんな考え方を覆すような一冊です。しかも子ども向けにとても読みやすくまとめてあります。

身につけさせなくとも、子どもにはすでに能力が備わっているんですね。

この本の著者は脳科学者で有名な、茂木健一郎先生。


この本を読めば、
人工知能時代を乗り越えるための6つの力を知ることができ、
親子間の価値観のギャップを埋めることができます。

これからの時代に必要な6つの力

その6つの力とは、以下の通りです。

  • ①チャレンジ力
  • ②失敗力
  • ③友だち力
  • ④勉強力
  • ⑤夢中力
  • ⑥夢をかなえる力

学校では教わらないですが、子ども(だけではなく親)の可能性を引き出す大事な力です。

以下、一つずつ簡単に説明していきます。

子どもに身につけさせるというよりも、
私たち親自身が実践して身につけたいスキルばかりですね。

チャレンジ力

ワクワクするときに分泌される「ドーパミン」をうまく利用して脳の成長をうながすことができます。
変化を怖がらずに楽しむ、自分で遊びを作りだすなど、
常識にとらわれない発想を行動にうつすことで、
脳がどんどんアップデートされていきます。

失敗力

子どものうちに失敗の経験をしていないと、大人になって失敗したときに乗り越え方がわからなくなってしまいます。

親はついつい子どもに失敗させたくない気持ちが出てきてしまいますが、
失敗すればするほど脳は成長するんだということを頭に置いて、
失敗する権利を子供から奪ってしまわないよう、気をつけたいですね。

それよりも、子どもが失敗して傷ついたときにゆっくりと休める安全基地を作ることで、親として大きな役割を果たしていきたいものです。

そして、まずは親自身が失敗しても楽しめた子どもの頃の気持ちを思い出しながら、今からでもたくさん失敗しようと思いました。

この失敗力、本当に大事にしたいなと思います。

友だち力

だれとでもコミュニケーションを取れる力に近いことかと思いましたが、そうではないようですね。

「みんなと仲良く」
というひと昔前の同調圧力とは一線を画した内容が書かれています。


たとえば、

友だちは世界のどこかにいればいい。

クラスに友だちがいなくても、悩まなくていいんだよ。

いま友だちがいないのは、きみに問題があるからでも、魅力がないからでもない。・・・

友だちは100人いなくても、世界のどこかにいればいいんだから。

と書いてあります。


そのほかにも「空気は読んでも従わない」など、個性や価値観の多様化をしっかりとらえた上で、参考になるアドバイスが書かれています。

空気を読もう!KY!という時代もありましたよね。

勉強力

いわゆる学校の勉強ができる力ではないです。

答えのない問題や正解がいくつもある問題に対応していくためには、
正解を知っていることよりも、問題を作る力や仮説を立てる力の方が必要になるという著者の意見には同意しかありません。

「正解は探さなくていい」「最高の勉強は「まちがえる」こと」など、親が率先して実践していきたい内容が盛りだくさんです。

ついつい〇とか×とか

白黒つけたくなっちゃうのよね(^-^;

夢中力

時間を忘れるくらい夢中になることは、地頭力を鍛えることにつながります。

本来子どもは放っておいても夢中になって遊びます。
その力をそのまま伸ばしてあげたらいいんですね。

親にできることは子どもが夢中になれる環境づくりですね。

私自身が夢中になれるものって何だろう?

夢をかなえる力

夢ややってみたいことを堂々と口にできる場所。聞いてもらえる人。

大人にとっても子どもにとっても少ないと感じませんか?

夢をかなえる力を発揮できる環境を作ること、これが私たち親にとって一番の急務かもしれません。

子どもが「~したい」と言ってきたとき、


「え~そんなのムリだよ~。」

「もっとがんばらないとな!」


「そんな甘くはないよ。」


など、勇気くじきをしていませんか?

まずは、そのまま受け止める。

あとは、親がまず実践すること。

脳は「ここがゴール」と思ってしまうと成長しませんが、

「まだできる」と思っている限り、何歳になっても成長する可能性があります。

と書いてありました。

あなたの夢は何ですか?

まとめ

これからの激変する時代において、必要なのは6つの力。

  • ・チャレンジ力
  • ・失敗力
  • ・友だち力
  • ・勉強力
  • ・夢中力
  • ・夢をかなえる力

次世代を生きる子どもたちを育てる私たち親。

でも、時代の変化が早すぎて次世代がどうなるのか読めません。

じゃぁ、子どもをどうやって育てたらいいの?

そんな疑問にわかりやすく答えてくれる本でした。

私がこの本の中で一番印象的だったのは以下の文です。

正解は子どもが持っていることが多いのです。

・・・

いま大人たちがやるべきなのは子どもを信じてすきなことをやらせてあげることです。

子どもは未熟だから親が子に何かを教えてやるという時代は終わりました。

足し算ばかりの子育ての過ちに気づき、

やっと引き算子育てを始めている私にとって、

「これでいいのかな?」という不安を安心に変えてくれる貴重な一冊になりそうです。

私たち親は、自分が育てられたように子どもを育てていては時代錯誤になってしまうのですね。

この本は、今の状況に閉塞感を覚えている子どもや、子どもが何を考えているのかわからない親にとって、橋渡しのような存在になる本だと思います。

「子どもがゲームや動画にハマってしまって困る!」という親御さんにも、脳科学的な新たな視点を教えてくれるおすすめの一冊です。


脳科学者が子どものために考えた 夢をかなえる力ののばし方


脳科学者が子どものために考えた夢をかなえる力ののばし方 / 茂木健一郎 モギケンイチロウ 【本】


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