我慢によって何を得ようとしているのか?『すべての教育は「洗脳」である~21世紀の脱・学校論』(敏腕実業家:堀江貴文)

レビュー
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あなたはお子さんにこう問われたことはありませんか?


「なぜ、学校に行くの?」
「なんで勉強しなあかんの?」

こう問われたとき、なんて答えますか?

唯一無二の自分に気づく本

「う~ん、自分自身は当たり前のように受けてきた教育だけど、そういわれると、なんで学校に行くんだろうなぁ?」

「大人になるまでに必要な知識を学ぶため?」

「将来やりたいことをやるため?」

いろんな考えがグルグルするけど、これといった理由が見つかりません。

そんなときに、知人から紹介されて手に取ったのがこの本でした。

「洗脳」という衝撃的な言葉をタイトルに据えていますが、
単なる教育批判や学校否定を目的とした本ではありません。


これは、一人ひとりが唯一無二の自分の力を思い出し、解放して生きることの喜びを味わってほしいという著者の願いを伝える本でした。

著者は、かの有名なホリエモン。

一連の事件についても真偽のほどはよくわからず、知ろうともせず、
個人的にはあまりホリエモンには興味がなかった私ですが、(ゴメンナサイ。)

歯に衣着せぬ言い方でズバズバと本質を指摘するこの本を読みながら、これまでの自分の考え方がいかに狭い視点だったのかを思い知らされたのです。

この本を読めば、あなたにブレーキをかけている無自覚の習慣に気づき、眠っていた新しい可能性を引き出すことができます

「常識」への信仰

問題の本質は、国家が人間の規格=「常識」という鋳型を作り、そこに人間を無理やり押し込めようとすることにある。
はっきり言おう。もう「学校」は必要ない。

軍国時代に基礎が築かれた教育システムに対し、
著者は鋭くこう言い切っています。

たしかに「常識だから」という理由でやっていることが日常にどれほどあるでしょうか!

そして、昨年からの新型コロナの流行の影響でその常識とやらが次々に変化していく様子を見ていると、これからの時代は常識自体も変化が激しく、把握できない世の中になってきたことをひしひしと感じます。

この本が出版されたのは2017年ですが、当時から著者が訴えていた世界が急速に現実化していますね。

「学校」と「貯金」は同じ

もう一つこの本の中で、印象に残ったのは、
貯金型思考と投資型思考についての話です。

いざという時のために我慢というマインドのもとに行われる「貯金」はただの現状維持。そこに成長はない。

これは目からウロコでした。

なぜそれほどまでに我慢してしまうのか。理由ははっきりしている。親から、学校から、そして社会全体からの、絶え間ない「脅迫」のせいだ。

 彼らは口を揃えて「会社を(学校を)辞めたら大変なことになる」と人を脅す。・・・

さすがホリエモン…。突き刺すような言葉を使っていますが、述べていることには納得です。

私の場合は、子どもが学校に行けなくなったとき、想像を絶する恐怖を感じました。
常識や当たり前と思っていたことから外れていくことへの恐怖。


同時にそれは今に始まったことではなく、これまでも潜在的に持っていた恐怖だったことにも気づかされました。

たとえば、子どもが生まれてからの発育検査のたびに標準からはずれていないかを気にしていた自分。
周りの子どもたちが習い事に行き始めると、わが子にも何かさせた方がいいかもと考え始めた自分。

リスクがゼロに近い守りの生き方をしていた私にとって、
リスクのある投資型思考なんか選択肢にすら挙がりませんでした。

でも、貯金型思考をし続けることで、成長を止めていたどころか、ひたすら恐怖から逃れるために我慢をし続け、その結果どんどん自分を縛っていって苦しくなっていたなんて。

よし!自分の感覚をもう一度磨いて、解放してみよう!
投資型人生を歩み直してみよう!

そう思えたのが次の一文です。

投資は「先読み」が大切だと言われる。だが、それは闇雲に未来を予測することとは違う。・・・
では、あなたが読むべき対象は何か。
「自分」だ。・・・
自分の「これが好きだ」「これがしたい」という感覚を信じ、それに従って下した判断を誰のせいにもせず生きる。・・・
その覚悟があれば、未来予測など不要だ。あなたは、「今」の自分を信じればいいのである。

最初の一歩を今すぐ踏み出す

著者は、この本の最後で、どんなに人生観が変わったとしても、行動しなければ何も変わらないと強調しています。
何かしたいけど今はできない状態の人たちがたくさんいると。

これは肝に銘じたいです。

どんな感動的な映画を観ても、実りある読書をしても、
頭の中で考えているだけでは何の変化も訪れないこと私は実感してきました。

わかっちゃいるけど急には変われないことも。

だからこそ、最初の一歩は小さく。
でも、確実に。

この本を読んだ後の私の投資型人生の最初の一歩は、

「今自分が食べたいと思ったものを食べる。」


でした。

あなたはどんな一歩を踏み出しますか?

まとめ

・私たちは教育を受ける中で常識を身につけてきた。

・貯金型思考と投資型思考があり、学校教育は我慢をベースとした貯金型思考に基づいている。

・未来を予測できない今、いつ来るかもわからないいざという時のための貯金型思考より、今の自分の価値をよりあげていくための投資型思考がおすすめ。


・自分の力を解放するために、まずは自分の感覚を信じて誰のせいにもせず、選択・決断しよう。そして、今すぐ行動しよう。


すべての教育は「洗脳」である~21世紀の脱・学校論~ (光文社新書)

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