子育てといえども人間関係。
よりよい親子関係を築きたいと願ってはいても、
疲れることも多々ありますよね。
そんなときにホッとひと息つける本があります。
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「子どものチカラを信じましょう」は、小児科・小児神経科医の高橋孝雄先生が、
子育てに関して「大丈夫なものは大丈夫」と太鼓判を押す存在の必要性を感じ、
満を持して執筆された本です。
病院という場でたくさんの親子に関わってきた経験から、
小児科医の先生がどんな子育てを提唱するのか、とても興味深かったので手に取りました。
この本をおすすめするポイントは3つあります。
1.子どもの専門家は親だという視点
児童福祉法など複数の法律では、子育てや教育において保護者は第一義的責任を負うと明記されています。
第一義的責任とは最も重要な責任を負うこと。
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「責任」と言われるとちょっとウッときますね…
法律に規定されるまでもありませんが、
もちろん保護者は子育てにおいて重要な役割を担っています。
でも、「本当にこれで合ってる??」と戸惑うことが多いのも事実。
そんな戸惑いを感じたとき、
子どもの専門家といわれる方々の意見を聞いてみたくなることもよくあります。
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そして、聞いてはみたものの、なんだか受け入れづらくてモヤモヤしてみたり…。
大部分はあてはまるものの、ある部分がしっくりこなくてまた別の専門家の意見を探してみたり…。
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結局、迷い続けてしまうのよね…
この本では、
目の前の子どもへのまなざしが大切なんだと何度も述べられています。
いくら専門家といえども、我が子の専門家にはなり得ないのではないかと
私は考えます。
そもそも誰もが唯一無二の存在。
我が子もあなたも誰一人まったく同じ人は存在しないんです。
だから、親としては、我が子をよく観察する責任を負っているということ。
どんなにすばらしい専門家の意見だとしても、
我が子にあてはまるのかどうかの最終判断は親に委ねられているのだということ。
その責任を易々と誰かへ負わせてはいけないなと日頃から胆に銘じるようにしています。
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我が子の第一の専門家は親だという点は忘れないようにしたいものです。
2.情報過多の時代に子育てをする困難さ
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今や、わからないことはすぐにググって情報を得られる時代です。
でも、お気づきでしょうか?
情報を集めやすくなったからこそ、子育てが難しくなっていることを。
選択肢が増えれば増えるほど、選択肢を選ぶエネルギーが増大するということを。
子育てについての不安を解決する方法がたくさんある一方で、
意図せずに理想の子ども像を描いてしまい、
目の前の子どもとのギャップを感じて不安が増大することもよくあることですね。
親が理想の子ども像を描いてそれに向けて子どもを変えようとしていくのではなく、
まずは子どもがすでに持っているものを観察する視点の大切さがこの本には書いてあります。
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あるものに気づく視点が大切ですね
3.子ども自身に選択をゆだねる
私が、この本の中で最も注目した点は、この記述です。
子ども自身に選択を委ねることは、親がさまざまな決断を放棄することではありません。
子どもにすべてを任せるのは、親として無責任な行為です。
親としてのしつけの方針に従って、いくつかの選択肢を示す。しかし、最後に決めるのは子ども。
決定権はあくまでも子どもにあります。親は責任を持って子どもに押しつけるのです。
注意すべきは、後悔をさせ過ぎないこと。自分で選んだ結果が、9勝1敗になるように選択の機会を与えるのが理想的です。
~(中略)少しずつ失敗の経験を積み重ねていけるようにするのも親の役割です。
こうした自律性を育む子育ての方法を具体的に提案している本は珍しいかもしれません。
急激な時代変化にも耐えうる自律(自分をコントロールする)力が必要だと言われているけども、
実際の家庭教育でどうしたらいいのかについては曖昧なままです。
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私は子育ての中で、どの程度子どもに任せたらちょうどいいのかについて、
かなり神経を尖らせて試行錯誤してきました。
任せすぎると負荷がかかりすぎるし、こちらが主導権を握りすぎると子ども主体性が失われるし…。
いい塩梅(あんばい)というのがなかなかつかみきれませんでした。
日本人のしつけはこれまで、親はこう思うとか、わが家の教訓とか、たったひとつの正解を与えて、それに従うことを求めてきました。
~(中略)~
でも、そのようなやり方そのものが間違っていたのかもしれません。
親がどれも正解だと思う複数の選択肢を子どもに与える。そして子どもに選ばせる。
この中で述べられている「親がどれも正解だと思う複数の選択肢を子どもに与え」ていたこともあります。
ですが、我が子の場合は、その複数の選択肢の中に自分が正解だと思えるものが一つもなかったというところに
絶望を感じたのではないかとも思います。
親子といっても他人。
価値観が似ているとも限らない。
だから、親がどれだけ正解だと思えるボールをたくさん投げても、
子どもにとってはどれもストライクゾーンに入ってこないということもあり得るのではと思います。
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我が家の場合は親子の価値観がずれている極端な例かもしれませんが、
そのような可能性もふまえて、親自身が自分の持っている価値観を棚卸ししてみることは、
これからの時代を生き抜くために必須になってくるのではないでしょうか。
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価値観を棚卸して新たにインストールすることが、
生き方の「リデザイン」ですね
まとめ
この本では、「子どもを信じましょう」と言うメッセージが終始ちりばめられています。
子どもの力を信じられたら、私たちが無意識に背負っているもののほとんどが背負わなくていいものだとわかります。
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「環境によってその子の能力が修飾されることはあっても、大幅に逸脱することはない」
親の育て方次第で子どもの能力を大きく変えられることではないということです。
情報過多の時代において、自分の子どもには合わない子育て情報に振り回され、
子どもは子ども自身の力で切り開いていける力をすでに持っているということを実感できないことに
現在の子育て環境の問題が潜んでいると私は思っています。
とはいえ、私自身もいつも手探り状態。
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子育てには正解というものがないですもんね…
ただただ目の前の一瞬一瞬を味わい慈しむことが子育ての醍醐味。
白黒つかない気持ち悪い状態をも、揺らぎながらゆっくり味わえる、
私自身がそんな在り方でいたいなと感じます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。