先日、LINEお友だち登録者を対象に、「学校が苦手な子どもについて、どんな情報を知りたいか?」というアンケートをとったところ、
「かつて学校が苦手だった方の経験談を知りたい」という声がありました。
そこで今回は、不登校を経験されたことのあるYUKAさん(仮名)に
お話をお伺いしてきました。
YUKAさん プロフィール
家族:夫と子ども3人の5人家族
職業:教員
中2~中学卒業まで、不登校を経験。我が子も不登校を選び、不登校の親も経験。
中2の秋ごろから学校へ行けなくなり、2度転校したものの、ほぼ学校へ行けず、中学を卒業。
中3での進路選択時に、学歴の必要な職業に就きたくなるかもしれないと考え、定時制高校への進学を決める。多様な人達がいる環境で生徒会長をするなど、学校生活を満喫し、無事卒業。
現在は、家族に支えられながら、教員として働く。
母として、教員として、自分にできることは何かを日々考えて、実践中。
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YUKAさん、よろしくお願いします。
早速ですが、LINE登録者の方々からいただいた質問に答えていただきながら、
進めさせていただきます。
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よろしくお願いします。
学校に行けなかった原因は?学校の何が苦手だったのか?
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今回寄せられた質問のうち
一番多かったのが、
「学校に行けない理由・原因」
「学校の何が苦手だったのですか?」という質問です。
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今はなんとなくわかりますが、
渦中だった当時は「わからない」というのが答えかなと思います。
なんか嫌。とにかく嫌。
気持ちの言葉で表すと「しんどい」ということ。
原因はあるんだろうけど、疲れ過ぎていて何も手につきません。
これがしんどい状態だということすら自分でもわかりませんでした。
だから、「何が苦手なの?原因は?」と聞かれても、言えませんでした。
学校に行けなくなる前に、「嫌だな」と思いながらも言えずギリギリまでがんばったんですよ。
学校に行けなくなった時には、疲れ切っていました。
聞かれても言葉にできない本人が一番つらいですよね。
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今はなんとなくわかるということですが、
振り返って、原因として何か思い当たることがありますか?
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いろいろあります。
親が仕事で大変そうな時期で、ザワザワとしたものも感じていましたし、
自分の弱点を指摘されると傷つくような打たれ弱いところが自分にありましたし、
いじめがある学校の空気も嫌でした。
そんな複数の嫌なことが重なって状態が悪いときに、
ささいなことでも叱られたり、注意されると、
「あれもこれもだめだ。」と感じますよね。
そういうことが重なっていって、「もう無理」と
なったんだと思います。
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ということは、
原因を特定してそれに対応しても、
根本にあるものを取り除けるかどうかは疑問ですね。
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まずは「行けない」という事実を受け止める方が、親子にとって楽だと思います。
答えのないものを考えるのはしんどいです。
あまり深く考えなくても、後でわかってきます。
我が家の場合ですが、学校が苦手な息子がふと言いました。
「お父さんにあのゲームを禁止されたことがきっかけで不登校になったんだ。
もしあのとき許可してくれていたら、みんなと話せることができて、学校に行っていたと思う。」と。
学校に行かなくなって1年後くらいですよ。
大人からすると、
「友達とゲームの話ができなくても、他の方法でコミュニケーション取ればいいじゃないか」
と考えるかもしれませんが、
子どもにとっては、大きなことだったんですね。
まぁ、私は、大きなきっかけはそれだったとして、もし当時学校に行けていたとしても、
後々別のきっかけでしんどくなっていたんじゃないかと思っています。
学校が苦手でも行っていたときはありますか?
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学校に行けない原因や理由は、いろんなものが絡み合っていて、すぐに特定するのは難しいということですね。
YUKAさんは、中学校に行けなくなるまでに、小学校は苦手でも通っておられましたよね。通われていた時期のことを教えていただけますか?
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幼稚園も苦手でけっこう休んでいました。小学校でも、学期に1回くらいはしんどくなって休んでいました。小学校ではいじめられることもあったのですが、頑張って行っていたという印象です。
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そうなんですね。エネルギーがなくなったら休んで少し充電することでかろうじて通っていたということですね。
小学生で学校を休んだときは、家でどのように過ごされていましたか?
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NHKの子ども番組をずっと見たり、ゴロゴロしたり。
今はYOU TUBEなどがありますが、当時はテレビしかなく、テレビの大半はワイドショーでしたから。
親はどんな対応をしていたか?
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そうですよね(笑)
学校が苦手なYUKAさんに対して、ご両親はどのような対応をされていたのでしょうか?
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小学生の時は、「学期に1回くらいなら休んでもいいわ」と親は考えていたように思います。
中2の時、学校に行けなくなって親にバレないように休んでいたのですが、「学校を辞めたい」と先に学校に相談したので、学校から連絡をもらった親はさすがにびっくりしていました。
それでも、優しい両親だったので、「パソコンを買ってあげるから、学校に行かないか?」などと提案されたりしました。
そういえば、その後、教育相談に連れて行かれた帰りに、母から「死のうか?」と聞かれたことがあります。「嫌だ。なんで死なないとあかんの?」と答えましたが、母は思い詰めていた時期があったのかもしれませんね。
母は心配性でしたが、父は「大丈夫大丈夫!」というタイプだったので、
「心配するのではなくて、YUKAを支えていこう!」
と夫婦間で話し合っていたのだと思います。
「すべての出来事には意味がある」と両親は捉えていたように思います。
私には、両親から「YUKAは大丈夫!」というメッセージがいつも伝わってきていました。
本当に「私は大丈夫!」ってずっと思っていました。
何かあっても、親が後ろ盾になってくれている安心感を抱いていたので、自分の意志を貫けると思っていました。
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すてきなご両親ですね!
子どもに「大丈夫!」と口で言うのは簡単なのですが、
心から伝えるのはすごく難しいです。
ご両親は、YUKAさんの「大丈夫」や安心感の元になっていたんですね。
まとめ
・学校に行けない原因は、本人にもわからない。理由を考えるエネルギーすら残っていないほど、疲れ切っている。
・学校が苦手でもうまく休みながら行っていた時期はある。
・親からは、「あなたは大丈夫!」というメッセージを受け取っていた。
およそ一時間半に及ぶインタビューでした。
親として揺れる思いもあったはずなのに、子どもに「大丈夫」感を伝えられているご両親の深い愛情を終始感じました。
次回に続きます。
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