「かつて学校が苦手だった方の体験談を聞きたい」というリクエストより実現したインタビュー。
引き続きYUKAさんへのインタビューvol.2をお届けします。
vol.1をまだ読んでいない方はこちらから
学校に行っていないとき、勉強はどうしていましたか?
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引き続き、いただいた質問よりお伺いします。
学校や家庭以外で勉強する場所はありましたか?
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塾に行かせてもあったこともありましたが、続きませんでした。
人が多いこともあって、しんどくなったんです。
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私の息子は学校だけでなく、
人が多いところなどに外出するのを嫌がるようになりました。
YUKAさんはいかがでしたか?
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そうですねぇ。
塾や学校は居心地が悪く感じたのですが、
遊びでは人が多い場所にも行っていました。
昼間は活動しにくくて、夜活動しやすかったという時期もあります。
遊び以外では、親の職場で仕事を手伝うこともあったのですが、大丈夫でした。
外は外でも、落ち着ける場所と落ち着けない場所がありました。
自分の居場所があると感じられるかどうかなのかもしれません。
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なるほど。
学校や塾は居心地が悪かったんですね。
では、学校へ行っていないとき、
勉強していないことへの焦りはありましたか?
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「今は勉強しないけど、やればできる。」という自信はあったので、
焦りはあまり感じませんでした。
小学校のときに塾に行っていたのですが、
そのときに学校の勉強を友達に教えてあげられていた経験が
自信につながっていました。
人間は何かが必要になればどうにかこうにか努力して
それを掴むものだと、昔も今も思っています。
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なるほど。
やればできるという自信があって焦りは感じなかったんですね。
他人と比べて、自分が劣っているなどと
落ち込むことはありましたか?
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ありました。
学校に行けない時期は、
「学校に行った方がいいのかな。」とか
「親はやっぱり学校に行ってほしいのかな。」とか。
今でも、学力がないと落ち込むことがありますよ。
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そんなとき、どうやって気持ちを切り替えていたんですか?
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幸いなことに、姪っ子たちの面倒を見るという役割があったんです。
その役割を果たしているという思いと、
「やりたいことをやりたくなったらいつでもやれる」という思いが
気持ちの切り替えにつながっていました。
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「できていること」「やっていること」がある
という視点は大切ですね。
不登校から「学校へ行こう」と思ったきっかけは?
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では、学校へ行くことが必要だと考えた時期はいつですか?
「学校へ行こう!」と思ったきっかけは何かありましたか?
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中3の時ですね。
中学校はほとんど行けなかったのですが、
中3の時、進路を考え始めました。
「親の商売を継ごう。」と決めて親に相談したら、
なんと反対されたんです。
「しんどい仕事だからあなたには継がないでほしい。」
と言われました。
道がなくなったと思いました。
そこから、自分がやりたい仕事を考えたときに
「学校の先生や保育士になりたいな。」と思いました。
中3の夏でした。
そう考えると、中卒では無理だなと気づいて、
高校へ進学しようと思いました。
そこで、学校の先生に相談したら、
定時制高校について調べてくれました。
その中から自分で進学先を決めました。
親は進路を決めるときには、一切口を出しませんでしたね。
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自分で選択した感覚があったんですね。
進学した高校での生活はどうでしたか?
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中学校とは全然違っていて、
多様でいろんな人がいて居心地が良かったです。
部活も生徒会長もやりました。
定時制高校では進学は珍しかったのですが、
短大へ進学することを選びました。
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高校の雰囲気が合っていて、高校生活を満喫されたんですね。
つらいことはなかったんでしょうか?
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ありましたよ~。
高3で友達関係でトラブルがあって。もう辞めようと思いました。
でも、ある先生に「あと少しで卒業だから一緒にがんばろう!」
と励まされました。
信頼していた先生だったので、
その言葉を信じてやってみようと思えて、頑張れました。
どんな人の言葉が響きましたか?
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信頼できる人の存在があったのですね。
そういえば、「どんな人の言葉が一番自分に響きましたか?」という質問もありました。
いかがですか?
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そうですね。
一つは、親からの「大丈夫」という言葉です。
無責任かもしれないですが、それが一番うれしかったです。
やっぱり不安だったので。
それに、親は本当に大丈夫と思っていたと思います。
最近親に聞いてみたら
「ひきこもりになるんじゃないかと心配だった。」
って言ってましたけどね。
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そうなんですね!
心配はしていたけど、
子どもには「大丈夫だよ」という安心感だけが
伝わっていたんですね。
親が常に後ろにいてくれているという安心感ですね。
親からしてもらってうれしかったことはありますか?
![YUKA](https://re-design-happy.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/b-woman.png)
親からしてもらってうれしかったことは、
お金を出してくれたことです。
学校に行っているときも行っていないときも、
買い物や友達と遊ぶときなどは親に言ってもらっていました。
「YUKAは大丈夫」という親からの信頼を感じていたので、
その信頼を裏切ることはできないという思いが常にありました。
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心底信頼されていたことが感じられますね。
親以外の方からの響いた言葉はありますか?
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もう一つ思い出されるのは、中学校のある先生のことです。
「普通は学校に行くよね。」とその先生から言われたことがありました。
その時に「先生、『普通』って何ですか?」って質問したんです。
先生は、その後しばらく考えて何も言いませんでした。
その時のことを私はどこかで覚えていました。
数年後、先生に再会したとき、
「あなたのあの質問に対してハッとして、
『普通ってなんだろう?』とすごく考えさせられたわ。」
とおっしゃっていました。
大人が何か言うんではなくて、
私が言ったことに真剣に向き合ってくれていたこと。
言葉ではなくて、その姿勢が私に響いていました。
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なるほど。
何を言うかではなくて、どんな姿勢でいるかということを
YUKAさんは感じ取っていたんですね。
「子どもだから。生徒だから。」などの理由で聞き流すのではなく、
対等な立場でYUKAさんの意見を受け止めて、
自分の価値観と照らし合わせて考えてくれた先生だったんですね。
自分の意見を否定されずに受け止めてもらえるとうれしいですよね。
![YUKA](https://re-design-happy.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/b-woman.png)
両親も私の言ったことを否定したことは一度もないです。
末っ子だったからというのもあるかもしれません。
上の姉にはまた違った対応をしていたような気もします。
中学校は、たまに保健室登校や友達に会いに行くくらいで、ほとんど行っていなかったのですが、
卒業式に参列しなかった私のために、
先生方が教室にレッドカーペットを敷いてくれて
「一人卒業式」をしてくれました。
今でも当時の感激した気持ちを思い出します。
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その出来事もYUKAさんのどこかに響いていたんですね!
YUKAさんに向き合ってくれた先生方の思いが
伝わってくる素敵な卒業式だったんですね。
まとめ
- 学校の勉強については、「やればできる」と思っていたので、焦りはなかった。
- 学校へ行こうと思ったきっかけは、進路選択だった。自分でやりたい仕事を考えて進路を決めた。
- 当時響いたのは、言葉というよりも、自分の言うことを真剣に受け止めてくれる人の態度や在り方だった。
今回は、YUKAさんが高校への進学を決めたときのことを中心にまとめました。
次回は、親という立場になってお子さんの不登校に向き合った経験談をお届けします。
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