前回までのインタビューでは、ご自身の体験について語っていただきました。
まだお読みになっていない方はこちらから ↓
インタビュー第三弾の今回は、親として子どもの不登校に向き合っている経験や、
親子関係で心掛けていることなどについてまとめました。
学校が苦手な息子への接し方
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これまでは、YUKAさん自身の経験についてお伺いしてきました。
ここからは、親として、息子さんの不登校に向き合ってきた経験をお話いただけますか?
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息子が学校に行けなくなった当初は、
やはり「学校に行こう。がんばろう。」といろんな策を試したり、
励ましたりしていましたよ。
でも、途中からは「この子はこれでいいんだ!ただ、教育は重要だと思うから、やれることはやろう。」というスタンスに切り替えました。
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私も最初は子どもを元に戻そうとしていました。
休めばまた行けるようになるんだと考えていたこともあります。
お子さんへの接し方について、心掛けていることはありますか?
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子どもと同じ目線でものを言うようにしています。
子ども一人ひとりを尊重したいからです。
「子どもに~してほしい。」という子どもの理想像を抱くよりも、
「子どもの生き方を決めるのは子ども自身だ。
自分の思いを通して自由に生きていってほしい。」
という思いが強いです。
だから、子どもに対して本音で話すようにしています。
親の不安な気持ちをどうしたらいいの?
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なるほど。
でも、親が子どもに対しての不安や心配を抱いているときはどうしますか?
「この子は大丈夫!」と思える時もある反面、
「大丈夫かしら…?」と不安になることもありますよね。
私は、自分が抱く不安を子どもには伝えたくないなと思うのですが。
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そうですね。
私なら、
「ママは、あなたは大丈夫だと思っているけど、わからないことがあります。
こんなことが不安なんだけど、あなたはどう思う?」って本音を伝えます。
親が不安なら、「ちょっと心配なんだけど、、、。」と素直に伝えたらいいのではないでしょうか?
そこから子どもの話を引き出せるきっかけにもなります。
子どもが話すエネルギーがない場合はやめた方がいいと思いますが。
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子どもの状態を見極めてからということですね。
息子さんの学校とのやり取りはどうされていますか?
学校とのやり取りについて
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息子が学校に行けなくなって、親にできることは何かと考えました。
学校とのやり取りにおいては、親が主導することが必要です。
本人の教育について考え、学校に合わないと判断したら、
学校側にお願いしに行きました。
「うちの子はこういう子どもです。今、こんな成長段階です。
こういうことをしたいのですが、こういう協力をしていただけますか?
この案に関して先生はどう考えますか?
他にどんなことをしていただくことが可能ですか?
アイデアがあれば教えてください。」など。
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そこのハードルがとても高かったです。
まずそんなお願いをしてもいいのかな?とか、
担任以外に誰に声をかけていいのかな?とか、
どうやって話し合いの場を作るのかな?とか、、、。
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そうですよね。
私も「定時過ぎて電話していいのかな?」とか気を使っていました。
サポートが必要な生徒については、
コーディネーターのような役割をされる先生がいらっしゃるはずなんです。
いない場合は、教頭先生の役割ですね。
ただ、学校とのやりとりで気を付けたいのは、
子どもの教育については親も責任を持っているということをふまえておくということ。
「学校のやり方が悪い。」という一方的な指摘をするのではないということ。
それをしていると、結局は親がしんどくなってきてしまいますから。
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たしかに。家庭の教育方針を明確にしておくことが大事ですね。
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親がエネルギー的にしんどい時は難しいかと思いますが、
落ち着いてきたら「親ってなんだろう?」と調べてみてもいいかもしれません。
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「親ってなんだろう?」って深く考えずに子育てしてきて、
不登校をきっかけに、考える時間が与えられた気がします。
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親子関係を見直すこと
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親は「共依存していない?」と自らに問いかけるべきだと思います。
「してない!」って思う人は共依存しているかもしれません。
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うわぁ。深いテーマが出ましたね。
ここで「共依存」の話が出るとは思いませんでした!
親子は最初は共依存状態。
そこから子どもが生まれて、「あうん」の呼吸が当たり前の生活が始まります。
そこから親子関係が変化していくはずなのに、意識していなかったなと思います。
いつ、どのくらい境界線を引いていったらいいのか、わからなかったんですよね。
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たとえば、「一緒に死のう。」はまさに共依存です。
子どもには子どもの人生があって、
親といえどもコントロールすべきではないです。
私が意識していたのは、子どもとの合意形成です。
たとえば、おむつ替えのとき。
言葉が通じなくても、「今からおしりをきれいにするから、おむつを外すよ~。」などの説明をしてから子どもに触れる。
小さい子どもで、こちらが世話する立場であっても、親の思い通りにしようとしないことを心掛けていました。
そうやって、「あなたはあなたとして生きていくんだよ。」と小さい頃から子どもに伝えていました。
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ついつい自分の都合に合わさせてしまったり、
どうせ伝わらないだろうからと声掛けをさぼったりしていましたね~。
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子育てには正解がないです。
目標設定という考え方もなじまないと思います。
どんなに気を付けていても、子どもに傷をつけてしまうものです。
大切なのは、
間違えたら「ごめんね。」と謝ること。
子どもはすっごく優しいですよね。
無条件に親のことを考えて、傷つけないように笑ってもらえるようにがんばっています。
親はそのことをしっかり自覚しておかなければならないと思います。
親の期待と子どもの意志との間にギャップがあるとき、
いい子は自分をつぶしてしまいますし、
逆に親に反抗する子は反抗して親が傷つく姿を見て結局自分も傷つきます。
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「子どもを傷つけないためにはどうすればいいのか?」と考え詰めた時期もありました。
でも、そんな完璧な親はいませんよね。
今は、
どうしたら完璧な親になれるかではなく、
弱い部分やダメな部分も含めて、
一人の人間としてどんな在り方でいるかということにフォーカスしたいです。
親子間の「課題の分離」って難しい!
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あとは、「ありがとう。」と感謝することも省略せずに伝えたいですね。
最近、中3の息子が「ありがとう。」と自然に言語化できるようになって、
私が大切にしてきたことが伝わっていたことを感じて、とてもうれしいです。
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頭ではわかっていた「ありがとう。」の大切さですが、
最近心から言えるようになった気がして、その大切さをかみしめています。
「親子だから…、家族だから…、伝えなくてもわかっているだろう。」と
何気なく省略してきたことを見直すことが大切ですね。
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LINEアカウント内で「課題の分離」ワークを配信していましたよね。
あれも、親子間で大切な考え方だと思います。
私の場合は、父が教えてくれました。
母を助手席に乗せ、私の運転でドライブに出かけたことがありました。
ところが、
母が「あっち行きたい。こっち寄りたい。」と横でうるさくて…。
帰ってきてから父にそのことを伝えたんです。
そしたら、
「お母さんが何を言おうと、それはお母さんの問題だよ。
ハンドルを握っているのはYUKAなんだから、
行き先はYUKAが決めたらいいんだよ。」と父に言われたんです。
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お父さん、すごいですね。
YUKAさんもお父さんが言っていることをしっかり理解されたんですね。
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子どもの人生は子どものもの。
「じゃあ私の人生はどうしたい?」と自分に問いかけたときに、
子どもが「やりたい」っていうことを応援できるように稼ぎたいなと思いました。
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課題の分離を頭でわかっていても、子どもの課題について考えてしまうという声もあります。
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そうですよね。
考えるのをやめられなかったり、子どものことで悩むのは当然ですよね。
悩んでいる間は、納得していないということ。
じゃぁ、どうしたら納得できるのかというと、
「この子は私とは別人格。他人は変えられないものなんだ。」
ということを、事あるごとに自分に言い聞かせる。
自分の思いをふせんに書き出すなどして、視覚化することも有効ですよね。
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「親子は血がつながった他人同士」ということですね。
書き出すことの効果は、予想以上に大きいです。
最初は半信半疑でやっていた私でも、やってみて効果を実感したので、LINEアカウントでもワークシートを配信しておすすめしています。
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そうやって、気づいたら立ち止まって自分に言い聞かせることを
繰り返します。
難しいからこそ、何度も何度も繰り返したらいいと思います。
「親は子どもを変えられない。」ということを悟ったら、
新しいフェーズへと行けます。
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難しいですよね。これは一人で黙々とするのはしんどいです。
私の場合は、同じようにがんばるママさん仲間の存在がありがたかったですね。
だからこそ、
自分自身や親子関係をアップデートさせるママたちが集まるコミュニティを
立ち上げたいと思っています。
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自分を大事にしていないと、他人を大事にできないですよね。
大事にし過ぎもだめですけど、、、バランスですね。
「子どもがいるから」という理由で今までやりたいのにやってこなかったことをやってみるというのもいいですね。
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そうですね。
子育ての悩みを吐き出すだけではなく、
一人の人間としてメンバー同士で成長していけるコミュニティに
したいです。
今回は、おいそがしい中、快くインタビューに応じていただき、本当にありがとうございました。
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現在YUKAさんは、夢だった教員の職に就かれ、
教員という立場からも、学校や学校が苦手な子を捉え直していらっしゃいます。
一人の人間として、親として、教員として、
「学校が苦手な子どもを支えたい」という強い思いを持っていらっしゃるYUKAさんだからこそ
今回のインタビューが実現できました。本当に感謝しています。
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