学校って、親にとっては、「託児」の意味も十分に含んでいます。
いえ…、
もしかしたら、
「子どもに教育を提供してくれる場所」
というより、
「子どもを預かってくれる場所」
として学校を捉えている親の方が多いかもしれません。
コロナ禍の休校中に保護者からあがってくる声を聴きながら、私はそんなことを感じていました。
「子どもが学校に行けない」
それは、親、とくにママの生活スタイルをガラッと変えてしまうことでもあります。
今回は、親育ちコミュニティmomcomのメンバーであるあさみさんがその思いを書いてくれました。
私の場合、子どもが低学年で学校に行けなくなり、まだ一人でお留守番できなかったんです…
外で仕事をしていた親は、生活スタイルを変えることを迫られます。
仕事をどうするか?決めるのは誰?
子どもが不登校になると、親の生活スタイルも変化を余儀なくされます。
その中の大きな悩みの一つが「仕事をどうするか」ということ。
子どもの年齢や心身の状態、家計の状況など事情はみんな異なり、その対応のしかたもさまざまです。
共通して言えることは、子どもの不登校で仕事をどうするのか、それは「自分で選んでいい」ということです。
「子供に寄り添いたいから仕事は続けられない」
「シフト制だから急に仕事に穴をあけられない」
「自分の時間を確保したいから仕事は続けたい」
「経済的に自分が仕事を辞めることはできない」
「子どもを家に一人で留守番させるのは不安だ」
「在宅勤務に変えてもらい仕事を調整できる」
など、抱える状況は人それぞれです。
その中で「仕事をどうするか」を決めるのは、
子どもではなく親である自分自身だということをお伝えしたいと思います。
仕事に行けなくなった私の場合
私の子どもは小学校低学年で不登校になりました。
その時、私は家の近所で短時間のパートをしていました。
わが家は転勤族ということもあり、それまでなかなか外に仕事にでることができなかったのですが、下の子も幼稚園に入ったので、「ようやく働ける状況となった」と判断して、就いた仕事でした。
子どもが学校に行っている時間に働くことができる上、長期休みは子どもと一緒に休める条件で採用していただき、久しぶりに家事や育児以外の仕事をすることができて充実した日々を送っていました。
しかし、子どもが学校へ行けなくなってしまい、状況は一変。
学校を休み始めてからは、子どもは心身ともに非常に不安定で、一人にすることはできませんでした。
はじめは職場に連れて行ったりもしましたが、そんなにすぐに状況が落ち着くわけでもありません。
子どもがまだ低学年だったこともあり、毎日家に一人で留守番してもらうことができない状況だと判断し、私は上司に状況を説明し、一旦お休みをいただくことにしました。
結局その後、私が仕事に復帰したのは、子どもが休み始めて1年が経過してからでした。
その頃子どもは、学校へ週に2日くらい短時間行く…という状況でした。
私が仕事を始めてしまうと、
たとえば、「今日は〇時間目から登校したい」「給食を食べたら迎えに来てほしい」など、
子どもが登校する際の要望すべてには対応できなくなります。
しかし、子どもの不登校に寄り添って自分の予定が定まらないことに私が疲れや違和感を抱えていたため、私自身が自分の時間を過ごすことも必要だと感じていました。
子どもに相談して了承を得て、さらに、職場にも理解いただき、私は少しずつ仕事に復帰していきました。
仕事を再開してからの子どもと私
私が仕事を休んでいる間、子どもは、毎朝の気分や調子で登校するのか休むのか、
行くならいつ行っていつ帰ってくるのかを決めていましたが、
私が仕事を始めたことでそこは不自由になりました。
しかし、休んだ時は家で一人、静かに過ごすことができて、それはそれで快適だったようです。
レンジでチンするだけの簡単なお昼ごはんを自分で支度できるようになり、私の負担も減りました。
私自身は、常に子どもと同じところにいる息苦しさのようなものを感じていたので、仕事の間は目の前のことに集中したり、同僚とたわいもない会話をしたりすることで気分転換になりました。
また、自分で収入を得ることのありがたさを実感することもできました。
まとめ:「自分にとって仕事とは?」を問い直す
子どもが不登校になったときに必ずと言っていいくらいにぶつかる「親の仕事」問題。
とても悩ましい問題ですが、「辞めたほうがいい」「続けたほうがいい」などの正解があるわけではありません。
子どもや家族と話し合う機会により、お互いの考えを共有するチャンスにもなりますし、自分のライフワークバランスについてや、「何を大切にしていきたいか?」などを問い直すきっかけにもなるかもしれません。
仕事を続けることで得られること、働き方を変えることで得られることはそれぞれあるので、状況に応じて考えて、決めていくことが必要ではないかと思います。
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